「イーサリアムって何?」
「ビットコインとどう違うの?」
そんな疑問を感じている初心者の方も多いのではないでしょうか。
イーサリアムはお金ではなく、NFTやDeFiなど様々なアプリが動く「プラットフォーム」です。
本記事では、ブロックチェーンの基礎からスマートコントラクト、時価総額2位を誇る理由まで、図解を交えながら初心者向けに徹底解説します。
イーサリアム(Ethereum/ETH)の基礎知識

イーサリアムは19歳の天才プログラマー、ヴィタリック・ブテリンが開発したブロックチェーンプラットフォームです。
その正確な定義と開発背景を理解することで、イーサリアムの本質が見えてきます。
プラットフォーム名と暗号資産名は別もの

「イーサリアム」は仮想通貨の名前ではなく、アプリケーションを構築するためのプラットフォーム名です。
このプラットフォーム上で使われる専用通貨が「イーサ(ETH)」と呼ばれます。
ショッピングモールに例えるなら、ファッション店や飲食店、映画館など、さまざまなテナント店が入っていますよね。
イーサリアムにはNFTやDeFi、DAppsなどさまざまなサービスが構築されています。
日本では「イーサリアムを買う」という表現が一般的で、プラットフォームと通貨を区別しない場合がほとんどです。
しかし、イーサリアムをより正確に理解するには、この両者の違いを把握しておくことが重要となります。
ここからはプラットフォーム名を「イーサリアム」専用通貨を「イーサ」と表記していきます。
ブロックチェーン上で動く分散型プラットフォーム

イーサリアムはブロックチェーン技術を基盤とした分散型プラットフォームです。
つまり、特定の企業に支配されることなく、ネットワーク参加者全員で情報の正確性を確認し合うため、改ざんが難しく、透明性が高いシステムが実現します。
イーサリアムはこのブロックチェーンの透明性と安全性を活かし、複数のアプリやサービスを一つのプラットフォーム上で動かすことを可能にしています。
イーサリアムが備える5つの強み

イーサリアムの強みは以下5つの機能にあります。
- スマートコントラクト
- DApps
- DeFi
- NFT
- 独自トークン企画「ERC」
これらにより、様々なアプリやサービスを構築でき、暗号資産業界全体で重要な役割を果たしています。
スマートコントラクトとは
たとえば、自動販売機のように、代金を支払ったら自動的に商品が自分のものになる取引を、仲介者なく実行できるのが特徴です。

この仕組みにより、透明性が高く、改ざんしにくい取引が実現します。
イーサリアムはこのスマートコントラクト機能を搭載した最初のプラットフォームで、その後の様々なアプリケーション開発の基盤となっています。
DApps(分散型アプリケーション)とは

従来のアプリは企業による中央管理ですが、DAppsはブロックチェーン技術により分散管理される仕組みです。
DAppsの開発にはスマートコントラクト機能が必須です。
イーサリアムはスマートコントラクト機能に優れており、ほぼすべてのDAppsがイーサリアム上で開発されています。
ブロックチェーンゲーム「クリプトキティーズ」やフィリピンで社会現象となった「Axie Infinity」など、DAppsを活用したサービスが次々と登場しています。
DeFi(分散型金融)とは

従来、金融取引には銀行などの仲介業者が必須でしたが、DeFiなら個人間で取引でき、仲介者を排除することで手数料が大幅に削減できます。
また、銀行口座がない人でも利用でき、24時間いつでも取引が可能です。
現在展開されているDeFi関連サービスの大多数がイーサリアムを利用しており、イーサリアムはDeFi生態系の中核です。
主に金融アクセスが困難な地域での活用が期待されています。
NFT(非代替性トークン)とは

わかりやすくいうと、ブランド品には「正規品」を証明するシリアルナンバーが付いていますよね。
デジタルアートにも「本物で唯一無二」という証明がブロックチェーン上に記録されるって感じです!
現金1万円とビットコイン1枚は「同じ価値なら交換可能」ですが、NFTは違います。
「この作品は本物で、世界に1つだけ」という証明ができるため、デジタルアートや不動産、チケットなど、様々なものの所有権を証明できます。
従来、デジタルアート(画像ファイル)や写真、音楽などのデジタルデータは、簡単にコピー・改変ができました。
しかしNFTなら「本物の所有権を証明する証書付き」なので、複製・改ざんが不可能です。
2021年にNFTアートが約75億円で落札されたことで、新しい資産形態として認識されるようになりました。
独自のトークン規格「ERC」とは

ショッピングモールで例えるとアパレルショップ、飲食店、映画館など異なる種類の店があっても、みな共通のルール(営業時間、決済方法など)に従いますよね。
同じように、イーサリアムもNFTや暗号資産など異なる種類のトークンが、ERC規格という統一的なルールに従うことで、同じプラットフォーム上で動くことができます。
イーサリアムが様々なトークンに対応できる理由は、このERC規格が存在するからです。
イーサリアムとビットコインの違い

イーサリアムはビットコインの後に生まれた暗号資産ですが、以下3つの点で異なります。
- 役割
- 希少性を保つ仕組み
- 取引承認の仕組み
両者の違いを理解することで、イーサリアムの特徴がより見えてきます。
役割が全く異なる
ビットコインはお金(決済・送金用)として開発された最初の暗号資産です。
一方、イーサリアムは「スマートコントラクト機能を備えたプラットフォーム」として設計されています。
さらに、イーサリアム上では新しい暗号資産も自由に発行でき、シバイヌやベーシックアテンショントークンなど、多くのトークンが生まれています。
トークンとは、イーサリアムのプラットフォーム上で作られた独自の通貨です。
つまり、ビットコインは「通貨」、イーサリアムは「様々なアプリケーションが動くプラットフォーム」という異なる位置付けになります。
希少性を保つ仕組み
ビットコインの発行上限は2,100万枚です。
これにより希少性を保ち、価値を維持しようとしています。
一方、イーサリアムは現在のところ、発行上限を設定していません。
その代わり、2021年からバーン(焼却)という機能を実装し、一部のイーサを意図的に消滅させ、市場に流通する量を意図的に減らし続けています。
つまり、ビットコインは「上限で希少性を担保」、イーサリアムは「継続的な焼却で供給を調整」という異なるアプローチをとっているのです。
取引承認の仕組み
ビットコインとイーサリアムは、取引を承認する仕組みが大きく異なります。
ビットコインはPoW(プルーフオブワーク)という方式で、複雑な計算問題を解いたマイナーが報酬として新しいビットコインを獲得します。
しかしこれは膨大な電気を消費するため、環境問題が懸念されてきました。
これに対して、イーサリアムは2022年9月にPoS(プルーフオブステーク)へ移行しました。
ビットコインと比べ消費電力が99%削減されるメリットがあります。
これにより、イーサリアムは環境にやさしい暗号資産へと大きく進化しました。
イーサリアムが抱える3つの課題

イーサリアムは革新的な技術を備える一方で、3つの課題を抱えています。
- 処理速度の遅さ
- プログラムの不具合対応が困難
- Gas代(手数料)の高騰
処理速度が遅い
イーサリアムは安全性と分散性を重視して設計されているため、処理速度が遅いという課題を抱えています。
利用者が増えるにつれ、処理するデータが膨大になり、取引確認に時間がかかる「スケーラビリティ問題」が生じているのです。
処理速度を上げようとすると、安全性や分散性が損なわれてしまい、ブロックチェーンの根本的な強みが失われてしまいます。
つまり、安全性と処理速度は同時に両立できない関係なんです。
これはビットコインも抱える同じ課題で、多くの人で取引を管理する暗号資産の根本的な問題とも言えます。
しかし、改善の可能性は十分にあり、実際に過去のアップデートでは処理速度が向上しました。
今後のアップデートでの改善が期待されています。
プログラムの不具合対応が困難
スマートコントラクトは一度プログラムされると、ハッキングに強く、データ改ざんができません。
しかし、その強さゆえに大きな弱点も生じます。
プログラムに誤りやバグがあった場合、修正が非常に困難なのです。
過去にイーサリアムは、運用上の不備を狙われ、360万イーサが盗まれるハッキング事件が発生しました。
この時、イーサリアムの運営チームは「時間を巻き戻す」という強硬な対応を取り、盗難事件を含めたそれ以降のすべての取引を無かったことにしました。
この決定をめぐり、コミュニティ内で大きな賛否両論が起こり、結果として「イーサリアムクラシック」という別のコインが誕生しました。
今後も同じような事件やバグが発生した際には、同様の混乱や分裂が繰り返される可能性があります。
Gas代(手数料)の高騰
イーサリアムの人気が高まって利用者が増えたため、処理するデータが膨大になりました。
一方、安全性を重視すると処理速度を上げられません。
その結果、取引が混雑し、イーサリアムを利用する際の手数料「Gas代」が高騰しています。
これは夕方のコンビニのように、お客さんが多いのにレジの台数が少ないため、処理能力が追いつかず混雑する状況と同じですね。
実際、取引するには高い手数料を支払うため、小額の取引では手数料の方が高くなるケースもあります。
通常、暗号資産の取引はお手軽ですが、イーサリアムの場合は手数料がネックになっています。
このように、多くの人が利用しているため、手数料が高額化してしまう課題に直面しているのが現状です。
イーサリアムが今後も成長する4つの理由

イーサリアムの将来性が期待できる理由は4つあります。
- アプリが次々と開発されている
- 投資家から信頼されている
- 中央集権化への抵抗
- 有名トークンの基盤となっている
アプリが次々と開発されている
イーサリアムの将来性が注目される最大の理由は、プラットフォーム上で新しいアプリケーションが次々と開発されているからです。
ゲームやDeFi、NFTマーケットプレイスなど、様々な分野でイーサリアムを活用したアプリが誕生しています。
App Storeのアプリが増えるとiPhoneの価値が高まるように、イーサリアムのアプリが増えるほど、イーサの需要が高まります。
革新的なアプリが増え続ける限り、イーサリアムの存在価値は強まるでしょう。
投資家から信頼されている
イーサリアムはすでに多くの投資家から厚い信頼を得ている点も、将来性を期待できる大きな理由です。
イーサの時価総額は、2位をキープし続けています。(2025年12月時点)
これは多くの人が「イーサリアムには価値がある」と信じて保有している証拠です。
さらに、イーサはアメリカの証券取引委員会「SEC」から現物ETFの認可を得ています。
2025年9月以降、複数のアルトコインも承認されていますが、イーサリアムが早期に承認された背景には、信頼性と価値があるからです。
中央集権化への抵抗
イーサリアムは特定の管理者がいない分散型プラットフォームであるため、富と権力の集中を抑える役割が期待されています。
現在、世界市場は5つのIT大手「GAFAM」にほぼ独占されています。
生活は便利になった一方で、一部の企業に富と権力が偏った状態が続いていますね。
イーサリアムはみんなで管理する仕組みなため、中央集権的な管理者が存在しません。
GAFAMによる市場独占がより問題視されるようになれば、イーサリアムのような分散型プラットフォームがより注目を集める可能性があります。
有名トークンの基盤となっている
イーサリアムのブロックチェーンは、新しいトークンが発行されるためのベースプラットフォームとして機能しています。
以下の表がイーサリアム上で発行されているトークンです。
| トークン名 | 通貨コード | 用途・特徴 |
|---|---|---|
| テザー | USDT | ステーブルコイン(米ドルと連動) |
| BNB | BNB | バイナンス取引所のトークン |
| USDコイン | USDC | ステーブルコイン(米ドルと連動) |
| シバイヌ | SHIB | コミュニティ・ミーム系トークン |
| チェーンリンク | LINK | オラクル機能(外部データ提供) |
| ダイ | DAI | ステーブルコイン(米ドルと連動) |
これらのトークンを送金したり、アプリで利用するには、手数料としてイーサが必要になります。
人気トークンが増えるほど、手数料に必要なイーサの需要が高まり、価格上昇につながる可能性があります。
多くの有名トークンがイーサリアムを選んでいる事実が、このプラットフォームの強みと信頼を示していますね。
イーサリアムを始めるなら積立投資

イーサリアムは長期的な値上がりが期待されるため、急騰や急落の影響を受けにくい「積立投資」がおすすめです。
毎月決まった金額を買い続ける方法(ドルコスト平均法)で、相場のタイミングを気にせず投資できます。
月1円から始められ、チャートをチェックしたり売買のタイミングに悩んだりする必要がなく、手間が最小限です。
自動で買い続けるため、忙しい人でも無理なく投資を続けられます。
初心者こそ、このシンプルな投資方法で、長期的な資産形成を目指すのがおすすめです。
積立投資のやり方を詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
イーサリアムについてよくある質問

記事を通じて学んだイーサリアムについて、初心者が疑問に思いやすいポイントを解説します。
イーサリアムとは?わかりやすく教えて
イーサリアムは、GoogleやAppleのアプリストアのような「デジタルアプリケーション用のプラットフォーム」です。
ビットコインが「通貨」を目的に設計されたのに対し、イーサリアムは「アプリケーション開発の舞台」として設計されています。
このプラットフォーム上では、スマートコントラクト(自動実行されるプログラム)を使って、以下のさまざまなアプリケーションが動作しています。
- ゲーム
- DeFi(金融サービス)
- NFTマーケットプレイスなど
つまり、イーサリアム自体は「アプリが動くための土台」であり、その土台を利用する際に必要な手数料を支払うために、イーサというトークンが使われているのです。
イーサリアムの現在の価格や時価総額は?
イーサリアムの最新の価格やチャート、時価総額は各仮想通貨取引所の公式サイトで常に更新されています。
これらのサイトなら、リアルタイムの価格変動や過去のチャート、時価総額ランキングを確認できます。
2025年12月時点でイーサは暗号資産の時価総額が2位で、時価総額は約4,000億ドル(約60兆円)、価格は約2,900~3,000ドル前後です。
市場状況は常に変動するため、投資判断の際には必ず最新情報を確認することが重要です。
信頼性の高いサイトから情報を得ることで、より正確な投資判断ができます。
ERC規格とは?分かりやすく説明して
ERC規格は、イーサリアム上で発行されるトークン(デジタル資産)を発行・管理するための共通ルールです。
代表的なERC規格には、ERC-20(暗号資産向け)とERC-721(NFT向け)があります。

ERC-20なら暗号資産として機能し、ERC-721ならNFTの唯一無二の証明書として機能します。
ルールを分けることで、イーサリアム上の様々なトークンが同じプラットフォームで共存でき、互いに交換・利用できるわけです。
他にもERC-721A、ERC-3525などの規格があり、目的に応じて使い分けられています。
イーサリアムの購入方法を教えて
ここまでイーサリアムの仕組みや将来性について理解できたなら、実際に購入を始めるのは難しくありません。
初心者向けの購入方法や選ぶべき取引所については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ

イーサリアムはビットコインと異なり、アプリケーションが動く「プラットフォーム」として機能する暗号資産です。
下記4つなどのサービスが展開され、時価総額2位のイーサは有名トークンの基盤となっています。
- スマートコントラクト
- DeFi
- NFT
- DApps
処理速度やガス代といった課題がある一方で、継続的なアップデートで改善が進んでいます。
2025年12月時点で約60兆円の時価総額を誇り、投資家からも厚い信頼を集めている状態です。
初心者は1円から始められる積立投資で、長期的な資産形成を目指すのがおすすめです。

